別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
母が言い聞かせてくれたのだろう。


「本宮凛。三歳!」


そして改めて大きな声で自己紹介をする凛が愛おしくてたまらない。


「凛ちゃん元気だな。また遊びに来てくれるかい?」


父はおそるおそる凛の手を握ったが、凛の笑顔は変わらない。


「いいよ」


凛の上から発言に兄が噴き出していたが、心温まるひとときだった。



今日は顔合わせだけということで早々に帰ることにしたけれど、外に出ると陸人さんが待ち構えていたので驚いた。


「先生!」
「凛ちゃん、こんにちは」


凛は陸人さんに駆け寄り、笑顔を見せる。


「仕事は?」
「夜勤明け。病棟上がってたら少し遅くなった。ごめん」


彼は謝るけれど、そもそも今日は家族だけで会う予定だったのだし。


「そりゃ気になるよな。でも安心しろ。問題ない」


兄が大雑把すぎる説明をしたが、陸人さんは笑顔でうなずいた。


「凛ちゃん、これどうしたの?」


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