別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
指定された時間に到着したものの、救急車が入ったので少し待つことになり、凛を連れて売店に向かった。

すると正面から吉野さんが歩いてくるのに気づいて緊張が走る。

当初彼女は私に気づいていない様子だったが、「先生、いつ終わるかなぁ」と凛が声を発した瞬間、ハッとした様子で私を見つめた。


「あなた……」
「ご無沙汰しております」


なんと言ったらいいのかわからず、通り一遍の挨拶になった。

凛は私を見上げて不思議そうな顔をしている。


「別れたんじゃなかったの? なんなの、この子」


少し興奮気味に畳みかけてくる吉野さんは、凛に鋭い視線を送る。

私はとっさに凛を背中に隠した。


「ケガをして治療に来ました。失礼します」
「待ちなさいよ」


離れようと足を進めたのに、腕をつかまれてしまった。


「私、言ったわよね。あなたがいると陸人さんの将来がめちゃくちゃになるって」


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