別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
凛は両手で口を押さえてはしゃぐ。

ここに引っ越す前も、はちみつケーキという名のホットケーキをよく焼いていたのだが、いつもより笑顔が弾けている。

私が家事をしている間、陸人さんと遊んでもらえるのがうれしいのだ。

これまでは我慢ばかりさせていたんだなと感じた。


「いただきます」


陸人さんにイスに座らせてもらった凛は、口の周りをはちみつでべとべとにしながらホットケーキを食べ始める。


「陸人さん、少し寝てください」
「大丈夫だって」


昨晩は夜勤で、今朝帰ってきたのだ。

午前中は寝ていたけれど、昼食のときに凛に起こされてしまった。


「ダメです。陸人さんが倒れたら、私も凛も困るんです。食べたら寝てください」
「寝なしゃい!」


私たちの会話を聞いていた凛が舌足らずな上に偉そうな言い方で口を挟むので、陸人さんと顔を見合わせて噴き出す。

凛が起こしたんでしょ?


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