別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「パパがいなくなったら嫌だもん」


フォークにホットケーキを刺しながら凛が口にしたひと言にドキッとする。

パパって言った?

陸人さんも気づいたらしく、凛をじっと見つめている。


「先生、あとでこぐまさん読んで」

「……うん、もちろん。それじゃあ少し寝させてもらおうかな」


また先生に戻った。
間違えただけなのかな?


期待しすぎたらダメだ。
今の関係がいいだけに、凛に無理強いしたくない。

陸人さんもきっと同じ気持ちなのだろう。

私に目配せをしたあと、なにも言わずに再び食べ始めた。


陸人さんを寝室に追いやったあと、片づけもせずに凛に付き合った。

生きていくために仕方がなかったとはいえ、陸人さんとの同居が始まってから、今までスキンシップが足りていなかったと痛烈に感じたからだ。

陸人さんが家にいる間、凛は四六時中彼にべったりでいつも膝の上にいる。

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