別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「またここで働いていると聞いて何度か通ったんだけど会えなくて」
「そうでしたか」


私は会いたくなかった。

でも、この先に進むには彼女との話し合いは避けられないのかもしれないと覚悟を決めた。


「天沢のご両親があなたに会いたいとおっしゃってるの。陸人さんに訴えても会わせないの一点張りで埒が明かない。それで連れてきてほしいと頼まれたのよね。陸人さんには内緒で」


あちらの両親との関係が良好だと言いたいのだろうか。

かすかに頬を緩める彼女の表情は自信に満ちあふれている。


「わかりました。ですが今は……」


凛の前でこんな話をしてほしくない。

私が渋ると、彼女は小さなため息を落とし、凛を見て「面倒ね」と漏らす。


「なにがでしょう」


凛に向けられた言葉に腹が立ち、言い返した。

すると眉をひそめる彼女は「悪かったわよ」と一応謝罪する。

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