別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
しかし、そのふてぶてしい態度から、本当に反省しているわけではないのがありありとわかった。


「一度家に帰ってご実家にお邪魔します。それでよろしいですか?」


陸人さんに凛を預けて、食彩亭で仕事を頼まれたと嘘をついて家を出よう。

彼を起こしてしまうことになるが仕方がない。


「わかりました。お待ちしてます」


彼女は意味深長な笑みを残して踵(きびす)を返した。


不思議がる凛に「ちょっとお留守番してほしいな」と言い聞かせ、一旦マンションに戻った。


陸人さんに打ち明けないまま彼の実家に行くのは忍びないが、ここは私が乗り越えなければならない壁のような気がする。

陸人さんだって、私の両親にひとりで立ち向かい、頭を下げてくれたから今があるのだ。

凛と陸人さんとそして私の三人の未来のためならなんだってできる。



陸人さんには食彩亭に行くと嘘をついて凛を預け、彼の実家に向かった。

< 284 / 335 >

この作品をシェア

pagetop