別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
そして続いた言葉に目を見開いた。

凛は陸人さんをそういう存在として認めているの?

ハッとして陸人さんを見ると、あんぐり口を開けている。

しかしすぐに頬を緩めて、泣きそうな顔をした。


「俺はずっと前から、そしてこれからもずっと、心春を愛してる。もちろん、凛ちゃんも。好きだから結婚したい」


陸人さんの熱い訴えに、顔をゆがめたお母さまの目から涙があふれた。


「もういいじゃありませんか。そもそも、陸人の幸せを願って反対していたんでしょう? 陸人が幸せだと言うなら、認めてあげましょうよ」

「しかし……」


お父さまは戸惑っているが、涙を拭ったお母さまは私を見つめて再び口を開く。


「心春ちゃんは、陸人を変えてくれたの。お友達も作らずいつもひとりで絵本ばかり読んでいた陸人が心配で、私の育て方が悪いんじゃないかと不安だった。でも、心春ちゃんと出会ってから笑顔を見せるようになってホッとしたわ」


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