別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「なに?」


いつも通りあっさり返事をする凛は、くりくりの目で陸人さんをじっと見ている。


「あのね。先生は、凛ちゃんの本当のパパなんだ」
「パパ?」
「そう。今まで寂しい思いをさせてごめん。そばにいられなくてごめん。でも、もうずっと一緒にいるから」


陸人さんがそう言った瞬間、凛は彼の胸に飛び込んだ。


「パパー」
「ごめんな。怒ってもいいんだよ」


彼女をしっかり抱きとめる陸人さんは、感極まったような表情を浮かべる。


「ヤダぁ。凛、パパが好きだもん」
「凛……」


ようやく、この日がきたのだ。

ふたりの抱擁を見ていると、視界がにじんできた。


「パパ、痛いよぉ」
「あっ、ごめん」


どうやら陸人さんの手に力が入りすぎたようで、苦情を食らっている。

叱られた陸人さんだが、その顔は喜びで満ちていた。


「パパ、凛ちゃんのこと、凛って呼んでもいい?」
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