別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「救急とおっしゃっていましたけど、お忙しいですよね」

「まあ、そうだね。ほかの科とは違って予約した患者が来るわけじゃないから、なにがあるかわからない。野上の救急は少し前まで研修医が担当して、重症の場合は専門医が診てたんだけど、本格的に救命救急科を立ち上げて、今は各科から抜擢された医師が救急専門になってローテーションで回してる。俺は一応外科なんだけど」


ということは、手術ができるんだ。

それだけでない。おそらく救急は臨機応変に対応しなくてはならないし、一刻を争うような患者も運ばれてくるはずだ。

その担当医師として抜擢された彼は、想像以上に優秀な人なのだろう。

そんな人の家に上がり込んだなんて、気が引ける。

――絵麻。
やっぱり彼は雲の上の人みたい。


「ごめんなさい」
「なに謝ってるの?」
「私なんかがお邪魔してはまずいですよね」


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