別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
少しずつ進みたいという私の願いを聞き入れてくれた陸人さんは、あれから結婚という言葉を口にしなかった。

でも、今でもその気持ちは変わらないということなのだろう。

私にとっては彼が初めての交際相手で、きっと至らない彼女だったはずだ。
それでも、求めてもらえるのがうれしくて目頭が熱くなる。


それと同時に、とうとうこの日がやってきたのだと絶望もした。

もしかしたら、さっきの食事が最後の晩餐になるのかもしれない。

黙っていると、彼は私の体をくるっと回して向き合った。


「困った顔してる」


そうじゃないの。
今すぐあなたの腕の中に飛び込めたら、どんなに幸せか。

けれども、この傷を見た瞬間、手のひらを返すように離れていった人たちを思い出すと、冷静ではいられない。

陸人さんは違う。そんな人じゃない。
何度そう思ったか。

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