別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
でも、彼が好きだからこそ、受け入れてもらえなかったときのダメージの大きさを考えて臆病になる。

私は何度か深呼吸して気持ちを整えた。
そして意を決して口を開く。


「私、隠してることがあるんです。ごめんなさい」


傷について打ち明けなければ前には進めない。
よくない結果になったとしても、私との関係を真剣に考えてくれる彼に、これ以上黙ってはおけない。


「隠してること?」


彼の瞳にたちまち不安の色が宿ったのに気づいて、逃げ出したい気持ちになった。


「大丈夫だよ。なんでも言ってごらん。なにがあっても心春を離すつもりはないから」


優しく諭されて、涙があふれそうになる。
ただ、現実は甘くないのも知っていた。

言わなくちゃ。たとえ嫌われたとしても、伝えなくちゃ。

私は意を決して口を開いた。


「私……幼い頃に背中に大きなケガをして、傷痕が残っているんです」


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