別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「痛かったよな。苦しかったよな」
「陸人さん……」
「もっと早く、助けられればよかった。ごめんな」


彼が謝ることなんてなにもない。

でも、もっと早くって?
傷があることを打ち明けられずに悩んでいた私を、もっと早く救いたかったということ?

私が首を横に振ると、もう一度唇を押しつけられた。


「この傷が心春の一部なら、それすら愛おしい」


そんなにふうに言われたのは初めてだ。
彼は私を再び強く抱きしめて、耳元で口を開く。


「心春。俺じゃダメ?俺じゃあ、お前を幸せにできない?」


そんなわけがない。
彼の熱い想いに、全身がしびれていく。


「ほんとに、いいの?」


この傷痕のせいでさんざん嫌な思いをしてきた私は、念を押さずにはいられない。

陸人さんは私の体を回して向き合うと、まっすぐな視線を送ってくる。


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