別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
初めてだと知っているので気遣ってくれているのだ。


「はい」


返事をすると、彼は再び唇をふさいだ。

キスは次第に深くなり、気持ちが高揚していく。

好きな人とつながれるという喜びと、少しの不安が入り混じってはいるけれど、陸人さんとなら絶対に後悔しない。


私のシャツのボタンをすべて外した彼の大きな手が、ブラの上から乳房をつかみ、円を描くように動きだす。

体を硬くすると、その手がふと止まった。


「傷、痛い?」
「……大丈夫です」


恥ずかしすぎて目を合わせられない。


「心春」


すると彼は私の名を呼び、そっと頬に触れた。


「すごくきれいだ。なにも心配いらない。痛かったら突き飛ばしていいから」


そんなことできない。
それに緊張しているだけで、傷は痛まない。

< 83 / 335 >

この作品をシェア

pagetop