別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「あ……んっ」
「心春……」


陸人さんは余裕があると思っていたのに、はっ、と色香をまとったため息を吐き出したあと、「気持ちよすぎてすぐイキそう」とつぶやいている。


「陸人、さん……」


強く抱きしめてほしくて体を引き寄せると、「煽るなよ」と言いながらもがっしり抱きしめ、熱いキスをくれた。


それからはただ髪を振り乱し、声をあげているだけで精いっぱいだった。


「あぁっ、もう……」


腰の動きを速めた彼は、体を震わせ欲を放った。
そして力尽きたようにドサッと隣に横たわり、私を腕の中に誘(いざな)う。


「ご両親に挨拶に行くよ。そうしたらすぐに籍を入れよう。結婚式も、もちろんやろう」
「はい」


とんとん拍子で決まっていく人生の大イベントに驚きつつも、胸がいっぱいになる。

私はたくましい腕をつかんでうなずいた。


陸人さんは、私の傷をそっと撫で始める。


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