年下男子に愛されすぎてツラい
甘露寺 えまside


蓮くんを見送り急いで店に向かう。


『オーナーおはようございます!』

『オーナー昨日の売り上げです』

『オーナーここの所なんですけど…』


私は店のオーナーをしている。
その傍らスタイリストやデザインなどの仕事に携わっている。



先日ワールドコンテストで日本人初の優勝をして
トップスタイリストの仲間入りを果たしてから
依頼が絶えない。


「新。今日の予定は?」


新『本日、午前中は打ち合わせが4件とインタビューが2件。
午後は新店の立ち会いにスタイリストの仕事が3件。
展示会に行き商品の買い付けです。』



「17時から21時は外してほしいんだけど…」


新『調整済みです。』



「さっすが♪いつもありがとうね」



慌ただしい一日が始まる。


打ち合わせはリモートなので合間合間に
店に出ては忙しなく動き回る。


「あー…もう12時か…」



「オーナー♥今日お昼ご一緒してもいいですか?」


そう声をかけてきたのは
お店を初めてからずっと一緒に働いてくれている
胡桃沢 ちひろ -クルミザワ チヒロ- だ。


「そうね〜…んー行っちゃうか!!!」


気晴らしに行きつけのカフェに向かい
一時の休憩時間を楽しんだ。


ち『もうすぐお店が拡大するって不思議ですよね〜♥あんなに潰れかけだったのに!』



「ほんとうよね泣
ここまで着いてきてくれてありがとうね〜」



ち『一番尊敬してますよ。
オーナーにどこまででも着いていきますから。』



「それで〜お昼に誘ったってことは…
何か聞いてほしいことがあるんでしょ〜♥」



ちひろとはオーナーと部下の関係だが
同い歳という事もあり友達のような関係だ。


ち『この前のかっこいいお客さんに…
ついに連絡先聞いちゃいました〜!!!』



「きゃーーーっ♥やっと聞いたの?!
なになに私見てないんだけど〜♥」



ち『抜け駆けしちゃいましたニコッ
早くオーナーも成瀬 涼太- ナルセ リョウタ-に
連絡しなよ〜♥』


分かってるよ…と思いながら
残りの昼食を食べきった。


成瀬 涼太さん。

今大人気の若手俳優。


私の初めてのお客さんになってくれた人…
その時は彼もまだ一般人で
オーディションに行く服をコーディネート
したんだっけ…




あれから6年…


進展ナシ



「世間は難しいよ〜〜」


泣き事を呟いていると


新『えま、食べたならさっさと次行くよ。』



新も店をここまで引っ張ってくれた
最初の店員だ。

今となっては
ちひろにお店を任せ
新はマネージャーをやって貰っている。



みんなの手前いつも私を立ててくれているが
2人だとこんな感じだ。



「私魅力ないのかも…余りものになるんだ…」



新『そうなったら、俺が嫁に貰ってやるよ』



「ふーんだ!私が貰ってやる側よ!!!」


フンッと席を立ち次の仕事へ向かった。
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