離婚しましたが、新しい恋が始まりました


今日の紬希は濃紺のシンプルなワンピース姿だ。身頃が前でクロスしているデザインで、飾りボタンでとめている部分のドレーブだけがアクセントになっている。いつもはシニヨンに結っている髪は下ろしてふんわりと肩先で揺れている。アクセサリーは真珠のネックレスだけ。これでも紬希にすれば十分な装いだ。

「地味じゃない?」
「いいのよ、動きやすいから。偲ぶ会に派手な服装は必要ないわ」

半分は忠告するつもりで、紬希は結衣に言った。義母の逸子も華やかな美人だが、結衣も目立つ顔立ちをしている。どんな時でも濃い目の化粧や華やかな服装を好むものだから、二人は有沢家の親族たちからひんしゅくを買っていた。

「ふーん。そんなの気にせずに、好きな服を着ればいいと思うけど」

確かに、自分の好きな着こなしも大切だが、時と場所も考えてほしい。4月にはもう大学4年生になるというのに、結衣の表情は幼いままだ。どこかの就職試験を受けるとも聞いていない。あえて紬希からは聞かないが、このまま遊んで暮らすつもりなのだろうか。義理とは言え、姉として少し心配になってきた。



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