離婚しましたが、新しい恋が始まりました


その時、医事課の女性がひょこり顔を出した。

「有沢さん、もう今日の勤務は終わりでしょうか?」
「はい。六時で上がりです」
「良かった。お客様が応接室にお見えなんです」
「応接にお客様?」

内線電話でなくわざわざERまで確認に来るくらいだ。患者の家族などではなさそうだ。

「こっちは大丈夫だから、行ってきて」
「ごめんね、有梨」

紬希が急いで六階の応接室へ行きドアをノックすると、中からは三島院長の声がした。

「どうぞ」
「失礼します」

部屋に入って、院長の向かいに座っている男性を見て驚いた。

「お義父……秦野先生!」

ゆったりとソファーに座っていたのは、元夫の父、秦野佑介だった。


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