離婚しましたが、新しい恋が始まりました
院長が席を外すと、秦野が笑顔で話しかけてきた。
「元気にしていたかい?」
「はい、変わりありません」
握手を求めてきた佑介の大きな手が、温かく紬希の手を包んでくれた。嫁ぎ先で、唯一紬希を庇ってくれた人だ。
「痩せてないかい?」
「はい。食欲は戻りましたから」
離婚の話が出た頃の紬希は、食も細くやつれていたのだ。
「働き者の手だな。紬希くん、本当に久しぶりだね」
「もう三年になります」
「あの時は……」
佑介が頭を下げようとしたが、紬希は押しとどめた。
「秦野先生、もうそのお話は……」
「そうだね。もう君にお義父さんと呼んでもらえないのが残念だ」