離婚しましたが、新しい恋が始まりました
「それから、あの絹田の狸ジジイにはきっちり言っておいた。もう余計なことするなって」
「絹田の……」
思わず笑ってしまった。何となくシュンとする絹田教授の顔が浮かんだのだ。
「やっと笑ってくれたな」
いつの間にか、マンションの近くにある児童公園の横に車は止められていた。
「君には笑顔でいて欲しい」
「光宗先生……」
「秦野との事は早く忘れて、笑顔になって欲しいと思っている」
「忘れてます。もうとっくに……」
「そうか?」
たった半年の結婚生活なんて忘れたはずだった。なのにどうして心が苦しいのか、いつまでたっても笑顔になれないのか紬希にはわかっていた。
「忘れたはずでした。でも、自分に自信が持てなくて……」
「自信?」
「あの日、先生が声をかけて下さるまで、私は不安で逃げ出したくなっていました」