離婚しましたが、新しい恋が始まりました
目が覚めたのは、紬希の方が早かった。二人ともあの後ソファーに腰掛けたままで眠ってしまったらしい。彼とお互いにもたれ掛かった状態で、気がつけば早朝になっていた。
そっと彼の腕から身体を抜いて、ソファーから離れた。男性の隣で安心して眠れる日がくるなんて。紬希はこの三年の悩みが嘘のように思えた。
(もう、大丈夫かもしれない)
慌てて顔を洗い、髪をとかした。キッチンで湯を沸かしてコーヒーの準備を始めたが、磐はまだソファーで眠っている。今日は大学病院の日ではないのかと気になって、少しゆすってみた。
「光宗先生、朝です。お仕事大丈夫ですか?」
「ん……もう朝?」
彼のシャツはしわくちゃだ。
「大変だわ。先生、シャツにアイロンを……」
「ああ、一度家に帰って着換えるよ。」
ゆっくりと立ち上がって、磐が背伸びをした。
「あのまま二人とも寝ちゃったんだな。身体大丈夫?腰とか痛くない?」
「私は大丈夫です。先生こそ」
にこりと磐が笑った。
「挨拶がまだだったな。おはよう、紬希」
「おはようございます」
照れながら、ふたりは朝の挨拶を交わした。
昨夜は何もなかったが、それでもふたりには満ち足りた朝だった。