離婚しましたが、新しい恋が始まりました

「何か飲み物いかがですか?朝ごはんは?」

「顔を洗ってくる。水かコーヒーが欲しいな」
「準備しますね」

真新しいタオルを渡されて、磐は洗面所に行った。昨夜はわからなかったが、女性が一人で住んでいるとは思えない広いマンションだ。

(ここに独りで暮らしたら寂しかっただろうに……)

キッチンからコーヒーのいい香りがしてくる。

「先生、お水をどうぞ」

紬の手からグラスを受け取りながら、磐は言い直しをさせた。
「違うだろ」
「あ、あの、磐さん?」

「合格だ」

ぐっと冷たいミネラルウォーターを飲み干した。ふと、手にしたグラスが気になった。

「これは……」


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