お館様の番選び
(朧視点)

ガシャーンっ!

「…陽っ!やめろっ!聞きたくないっ!!」

気がつくと鉄格子を思いっきり殴っていた。

陽は当時を思い出しているのか、その瞳は黄金色に輝き、頬はほのかに上気している。

「……朧。僕たち一族の力は血にだけ濃く現れるわけじゃないんだよ。」

「陽っ!」

「あっ!さすがに知ってるよね?」

「僕は僕の力全てを使って繭を僕のものにしたよ。ふふ。」

「…くっ。彼女は今、どこにいる?」

広い座敷牢だが、ここには陽しか見当たらない。

「さあ?ここにいても繭の匂いは僅かだけど感じるから屋敷内にはいるはずだ。たぶん、離れのゲストハウスあたり…じゃないかな……?」
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