お館様の番選び
明叔父さんはそのまま扉のところで待つことになった。

叔父さん曰く「陽様の力が強すぎて入れねーよ。俺はパス。」とのことだった。

わたしと赤ちゃんは朧が守ると言ったので、一緒についていくことにした。

わたしの腕の中の陽様によく似た赤ちゃんを起こすことのないよう慎重に歩みをすすめると、朧の話通りの座敷牢が見えてきた。

あたりは陽様のいい匂いで満ちている。

暗闇の中、座敷牢の奥から白いものがゆらりと近づいてくる。

「…陽…様…?」

「…その声は…あかり…ちゃん?」

座敷牢の明りが付けられた。

…陽…様…?記憶の中の陽様より幾分か成長した陽様がそこにいた。

女の子のようだった顔立ちはすらりとした身長とともに中性的な印象になっている。

「…繭?…これは…繭の匂い…」

陽様の瞳が揺らぎ、琥珀色から黄金色に変わっていく…。
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