お館様の番選び
…ふぅ。こうやってわたしと朧が会うのも久しぶりだ。後でゆっくり話でもするかな…などと考えていると、廊下の角から、パタパタと音がしてピョーンと女の人が飛び出してきた。

「あかりちゃーん。いらっしゃいっ。今日からこの家で一緒に住むからには、貴女は私の娘よー。うれしぃっ!お母様って呼んでちょうだいっ。ねっ?ふふ。」

「ふふ。番様。未熟者ですがどうぞよろしくお願いいたします。」

この明るい人は、お館様の番様で朧のお母様だ。

番様は長い白い髪の間からふわふわの垂れた耳とお尻にはこれまたふわふわの丸いしっぽがなんもと愛らしい兎型獣人である。

「なんだ。騒々しいな…。」とお館様まで廊下まで出てきてしまった。

「ああ。あかりちゃん。朧をよろしく頼むね。朧、あかりちゃんを部屋まで案内してあげなさい。」

と朧に言って、仕事の話があるからと、私の父を連れ、部屋に戻っていった。
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