お館様の番選び
「っ?あかりっ?どうしたの?」

急いで窓を開け、裸足のまま庭に下り立つ。

がさっ。あかりの姿が茂みの中に隠れてしまった。

「あかり…?」

また顔だけ茂みからちょっとだけ出してこちらを見ている。

なにかがおかしい……。

「……。」

声を出さずに近づき、茂みの方へゆっくり手を差し出してみた。

すんすん。ふんふん。すりっ。僕の手にあかりがすり寄ってくる。

……そうか。今日は満月……獣に…だからか…でも、このままほっとけない。

「あかり。いい子だから、こっちにおいでよ。」

頭を撫でてみる。ガブッ!

「痛っ!」

頭を撫でようとした手を思い切り噛まれた。

どうしよう…。少し、後ずさる。

するとおなじだけ、あかりが茂みから出て、こちらに近づいてきた。

すんすん。すんすん。なにか匂いを嗅ぐような素振りをしている。

もしかしたら……「僕の…番の匂いのせい…?」

だとしたら…。

また、少し後ずさる。その分だけ、あかりはこちらに近づく。いけるか……。

ゆっくり、窓から部屋に戻った。
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