お館様の番選び
「あかり……。」

どれくらい経ったのだろう。だいぶあかりの力が抜け、大人しくなっていた。

すんすん。すりっ…。すんすん。すりすりっ…。

いつの間にか向かい合わせで抱きしめていた。

あかりは僕の匂いを嗅いだり、身体を寄せてきたりしている。

もう大丈夫だとゆっくり動くと、とたんに噛み始めるので、また大人しくあかりの体に手を回す。

すんすん。ふんふん。すりっ。ペロッ!

「んっ?」

あかりは僕の頬にすり寄りそのまま頬を舐めた。

僕の匂いが気に入ったのか、その行為はどんどん激しくなっていく。

顔から首筋にあかりの舌が這い、鎖骨をなぞっていく。

「んっ。…あかりっ!まってっ!…」

僕の顔が真っ赤になっているのが分かる。

「痛っ…」

動くと噛まれる。

じっとしているとあかりはすり寄り、僕の番の匂いに酔い、身体中を舐めていく。

あかりを見ると破れた服の裂け目からあかりの白い肌や豊かな胸、細い腰が視界に入る。

見てはいけないものを見てしまったような気になって目を瞑るが、その淫らな姿が残像のように脳裏によみがえる。

視覚を遮ると他の感覚が強くなり、あかりに舐められているのがよりはっきりと感じられ、背中がゾクゾクっとなった。

これは…辛い…な……。

あかりを抱きしめたま、動くこともできず、気を失うこともできずに僕はただ無になろうと諦めて天井に目をやった……。
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