きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
私の知らない彼
宮本くんの部活が終わるまで待つようになって二週間が経った。
最初は、数日経つと「もう待たんでいいわ」とか言われそうだなと思っていたけれど、今のところそんな言葉はかけられていなかった。

それなりに彼は私と帰る時間を楽しんでくれている、ということなのかな。
いや、流石にそう思うのは自惚れすぎな気もするけれど。

今日も部活終わりの彼と合流して校門を出ると、不意に「今度の日曜日、バスケの試合見に来たら?」 と問いかけられた。

「試合!?」

「うん、ウィンターカップの予選が始まるねん」

「そうなんだ、遂に始まるんだね……!」

夏休み中に言っていた通り、新学期になってから一段と部活が大変そうだった。

それはもう、今まで元気いっぱいで休み時間は騒がしかったバスケ部部員全員が、休み時間をもっぱら睡眠時間にあてるほどに。

「初戦やし、見に来てほしいなあって」

バスケの試合、か。

今まで悠斗を応援したくてサッカーの試合へは何度も足を運んだけれど、バスケの試合は一度も見たことがない。それに、テレビでもほとんど見たことがない気がする……。

うーん、どうしよう。

宮本くんがバスケをしている姿を見てみたいかと問われれば、それは間違いなくYESだ。

けれど、なあ。

宮本くんは黙った私に、「何か予定でもある?」と尋ねた。

「あー、うん、まあ」

「その返事の仕方は嘘やな」

この前も嘘ついた時同じ断り方してたで、と彼は笑う。

せっかく誘ってくれたんだ。ここは正直に理由を話してきちんと断ろう。

「……ちょっと行く勇気がない、っていうか」

「勇気?」

彼はコテンと首をかしげた。

「バスケの試合あまり見たことがなくて、正直ルールがほとんどわからないし……」

「わからない、し?」

宮本くんは他にも理由があることを見逃さなかったようで、「まだ何かあんの?」と続きを促した。

「……ほら、だって、最近ちょっと噂になったでしょ、私たち」


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