きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「……大丈夫か」
「うん、すっきりした」

悠斗が差し出してくれたティッシュを受け取る。

彼を思って流した涙を拭うと、私は久しぶりにスマートフォンの電源を入れる。

電源が入ると、たくさんのメッセージが画面に浮かび上がった。


【電話かけてるんやけどかからへん。電源切ってる?】
【ごめん。傷つけようと言ったわけじゃないねん】
【メッセージ届いてる?】
【今日、一緒に帰れる? 一回ちゃんと話したい】

話しかけてはこなかったものの、毎日のようにメッセージは送ってくれていたんだな。

私は深呼吸をしてから、テキストを入力する。


送信ボタンを押すと、少しだけ前を向けた気がした。
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