きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「……あの女、ムカつくなあと思って」

「あの女? あ、高橋のこと?」

肯定も否定もしない俺に、佐々木は重ねて尋ねてくる。

「どうして? 高橋、良い子じゃん」

「良い子? どこが?」

思わず食い気味に問うと、佐々木は逆に、俺の言葉を聞いて目を見張った。

「え、だって……明るいし、話しやすいし、優しいし。後、普通に可愛いし?」

あいつが優しい? 可愛い? 佐々木の目、おかしいんちゃう?

疑うような目で佐々木を見ると、「中学の時、結構モテてたよ」と付け加えられたものやから、ほんまにびっくりした。

「いやいや、それはないやろ……。お前の勘違いじゃないん?」

「本当だって。実際に俺の友達も高橋に告白したよ」

「マジか……」

あの女がモテてた?

……ほんまに?

「なあ、俺ら、おんなじ人のこと話してるやんな……?」

隣で佐々木がプッと吹き出す。

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