きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「あったじゃん! ほら、宮本が高橋に、『待ち伏せか!?』とか言ってたじゃん」

「ああ、そうだ! そんなこともあったねえ」

懐かしいな。

確かにあの時、私たちの仲は最悪だった。

勝手に“ストーカー”だの“待ち伏せ”だの言われたからだけど。

今でも別に仲が良いわけではないけれど、それでもあの時は、二人で帰るとは想像もできなかった。というより、”したくなかった”。

「それに宮本さあ、最近いつも 『高橋が』 『高橋が』って。高橋の話ばっかりしているんだよ」

「おい、嘘つくな!」

宮本くんは佐々木くんの口を物理的に防ごうと、自分の手で彼の口を押さえようとする。

「えー、だってそうじゃん。この前も」

「あー、もういい。ほら、高橋、帰るで」

宮本くんは、お昼の時と同じように、強引に私の腕を引っ張る。

「ちょっと、わかったから引っ張らないでよ」

「じゃあさっさと歩け」

「はいはい」

私は宮本くんの隣に並びながら、後ろを向いて佐々木くんに大きく手を振った。

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