夜桜
「…いっ!おい!」

土方さんの声がして目を開けると、まるで般若の様な鬼の顔をした土方さんがいた。
「えっ・・お、おはようございます。」

「なんであんなところで寝ていたんだ。 大体いつもお前は無防備すぎる。 今日から張り込みだというのに、風邪をひいたらどうするんだ?もう少し緊張感を持て!」

朝から耳が痛い説教に目が覚めた。 記憶を辿れば、昨日はあのまま眠っていたらしかった。
だがここは自分の部屋。

「俺が気づいて運んだのはいいものの、あのままだったら絶対風邪ひいていたぞ。」

土方さんは眉間にしわを寄せ、私を睨んだ。

「す、すみません…..。 夜空が綺麗だったもので…。」

土方さんは私の額を小突いた。

「馬鹿。だからと言って寝落ちはねえだろ。」
私は額をこすった。
土方さんのこれは何回受けても慣れないものだった。
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