あやかし戦記 永遠の終わり
「うるさいな、君は!!」

イヅナは憎しみを込めた目で睨み付けられ、体が震えてしまう。それでも、大罪人である彼を野放しにするわけにはいかないのだ。

「あなたを、拘束します」

ギルベルトから貰った球を手にイヅナが言うと、「捕まえられるものなら捕まえてみなさい」とミツヒデは不敵に笑い、パチンと指を鳴らす。刹那、イヅナの周りを妖が何体も取り囲んだ。

「こいつらは君がさっきまで話していた、元人間だった妖だ。私が開発した薬を投与し、素晴らしい戦闘力を持った妖になってくれたよ。さて、君はこの妖たちを殺せるのかな?」

「ッ!」

イヅナが答える間もなく、うめき声を上げながらキョンシーがイヅナに噛み付こうとする。ミイラ男に化け猫、ゾンビに死神に魔法使いも次々にイヅナを喰おうと攻撃をしてくる。

ここで妖を一体でも殺してしまえば、ミツヒデの思う壺である。イヅナは彼らの伸ばされた腕を斬り付け、逃げながら球を放り投げていった。
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