甘やかし婚 ~失恋当日、極上御曹司に求愛されました~
「とにかく、副社長は沙也に会いたがっているの。ちなみに昨日の一件はまだ佐多を含め誰にも話していないから安心して」
応接室が近づいてきたせいか、塔子が声をひそめる。
そして周囲を素早く見回した親友は、廊下の隅にある観葉植物の陰に私を引っ張り込む。
「ねえ沙也、響谷副社長と今朝、電話でなんの話をしたの?」
真剣に尋ねる塔子に、電話の内容をかいつまんで説明した。
もちろん結婚についても。
「……本当に、いいのね? お互いの利益のためだなんて納得できるの? もし沙也が今後本気で惹かれたときに苦しくならない?」
「私たちの間に恋愛感情は存在しないから大丈夫。私なりによく考えた結果なの」
小声ながらもきっぱり言い切ると、親友はなにか言いたげに口を開け閉めしていたが、ふうっと長い息を吐いた。
「沙也がはっきり自分の思いを主張するのを初めて見たわ。副社長がらみっていうのがなんだか悔しいけど仕方ないわね。でも今後は自分の気持ちに素直になるのよ?」
「わかったわ」
返答すると、塔子は安堵したように頬を緩めた。
「じゃあこの話は終了ね。早く行きましょう。待たせると怪しまれるわ」
塔子の言葉にうなずいて、再び応接室に向かった。
扉を開け放した応接室の前には秘書課室長が立っていた。
どうやらほかの社員が近づけないように人払いがされているようだった。
私を見るなりなぜかホッとしたような表情を浮かべ、室内へ入るよう促された。
応接室が近づいてきたせいか、塔子が声をひそめる。
そして周囲を素早く見回した親友は、廊下の隅にある観葉植物の陰に私を引っ張り込む。
「ねえ沙也、響谷副社長と今朝、電話でなんの話をしたの?」
真剣に尋ねる塔子に、電話の内容をかいつまんで説明した。
もちろん結婚についても。
「……本当に、いいのね? お互いの利益のためだなんて納得できるの? もし沙也が今後本気で惹かれたときに苦しくならない?」
「私たちの間に恋愛感情は存在しないから大丈夫。私なりによく考えた結果なの」
小声ながらもきっぱり言い切ると、親友はなにか言いたげに口を開け閉めしていたが、ふうっと長い息を吐いた。
「沙也がはっきり自分の思いを主張するのを初めて見たわ。副社長がらみっていうのがなんだか悔しいけど仕方ないわね。でも今後は自分の気持ちに素直になるのよ?」
「わかったわ」
返答すると、塔子は安堵したように頬を緩めた。
「じゃあこの話は終了ね。早く行きましょう。待たせると怪しまれるわ」
塔子の言葉にうなずいて、再び応接室に向かった。
扉を開け放した応接室の前には秘書課室長が立っていた。
どうやらほかの社員が近づけないように人払いがされているようだった。
私を見るなりなぜかホッとしたような表情を浮かべ、室内へ入るよう促された。