黒猫とばぁちゃん【短編】
僕が満足して顔を洗っていると、目の前に今度は小さく裂いたササミがいくつかのっかっているお皿が運ばれてきました。
ミルクに夢中になって気付かなかったけれど、ばぁちゃんは、いつの間にか僕にご飯を用意してくれていたんです。

ばぁちゃんは、僕の前にかがんで座っていました。
僕が、ばぁちゃんの顔を見上げると、ばぁちゃんは何も言わずに、ニッコ~と笑って僕の鼻先にササミの皿を近付けました。


ニャ~?
食べてもいいの?


ばぁちゃんは、ただ笑って頭をなでてくれました。


部屋の暖かさと、ミルクとササミでお腹一杯になった僕は、すぐに夢の中でした。

ばぁちゃんの皺々な手が僕をズ~ッと、なでてくれていました。

ニャ~。
あったかいなぁ。

お部屋も。
ばぁちゃんの手も。



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