本気の恋を、教えてやるよ。




……困ったな。


計画案といっても一体何から始めればいいのかさっぱりだ。


ふと、慶太はどうするんだろうとそちらに視線を送ると、丁度慶太もこちらを見ていて、思いがけず視線があってしまいドキリとする。


真顔でこちらを見る慶太が何を考えているのかは分からない。久しぶりに絡んだ視線に先に耐えられなくなったのは私で、そっと目を逸らしながら慌てて口を開く。


「えっと……もし仕事忙しければ、今日のところはとりあえず私の方で考えておく…ます」


緊張のあまり変に敬語が混じってしまう。


おくますって何、と恥ずかしくなりながら俯いていると「……いや」と声が落とされた。


「大丈夫。一緒にやろう」


そう言った慶太は、一つ席を開けて横に座った。


「予算もそれなりに取ってるらしいから、近いうちに何かイベントを開催するのがいいと思う。委員長のあの口振りだと、早めに結果が欲しいみたいだし」



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