本気の恋を、教えてやるよ。



……ほらね?って、どういう意味だろう。


──去年も経験していたことだけど、臨時マネージャーは楽じゃない。


ドリンクを作って回ったり、タオルを渡したり、食事の用意をしたり。


忙しい忙しい、と過ごしているうちに窓の外はどんどん暗くなり──。


気づけば、もう就寝時間となっていた。


「……何しに来たのあんた」


一言も話せなかった……!の布団の上で両手をついてガックリと項垂れる私に、じっとりとした梓ちゃんの視線。


最後の方は完全に駒澤くんとのことが頭から抜けていて、ただただマネージャー業に専念してしまっていた。


「あ、明日があるから!明日こそ……!」

「本当に大丈夫なの?」


また真面目にマネージャー業ばっか頑張りすぎなきゃいいけど、と梓ちゃんは不吉なことを言って布団に潜ってしまった。


翌日。

朝早く起きて、朝食の準備をする。梓ちゃんは朝が弱いからまだ起きてきていない。



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