本気の恋を、教えてやるよ。
覆っていた手を、柔く引き剥がされる。
開けた視界の先、優しく、だけどその奥に確かな炎を灯した双眸が、逃がすまいと私を見つめていた。
「もう一回訊くけど……いいの?泊まって」
触れ合う手のひらから、じわじわと熱が生まれる。
それがどちらの体温なのかも混ざりあって分からなくなる中、私は恥ずかしさに視界が潤むのを感じながら、こくりと小さく頷いた。
明かりはベッドサイドのテーブルランプだけ。
仄かに灯る橙色の明かりに照らされた綺麗な顔に見下ろされ、耳のそばに心臓があるのかと思ってしまうほど、煩く鳴っている。
「……緊張してる?ちょっと冷たい」
どこを見ていればいいのか分からず視線を泳がせる私の頬に、長い指先が触れ、ぴくりと身を震わせる。
「そ、そりゃするよ」
「そっか……俺も」