本気の恋を、教えてやるよ。
カーテンの隙間から射し込む光を背負い、美しく微笑む綺麗な顔。
こちらを優しく見つめる楽斗に眠気が吹っ飛んだ。
「お、おはよう!」
「はよ」
どうやら眠っている間、私の頭を撫でていたらしい楽斗の指が、名残惜し気に前髪から離れていく。
ずっと寝顔みられてたのかな……と恥ずかしくなっていると、楽斗が体を起こし、サイドテーブルからペットボトルの水に手を伸ばす。
そのままキャップを開けた状態で手渡され、お礼を言ったところで「身体は平気?」と訊かれ、思わず水を零しそうになる。
「う、うん、平気!」
「そっか。良かった。最後の方、手加減できなかったから」
「……」
恥ずかしいので、もう何も言わないでほしい……。
顔を赤くしたままちびちびと水を口にしていると、楽斗がわずかに目を伏せた。
「あのさ」
「うん?」
「……情けないこと言ってごめんな」
その言葉に顔を上げると、楽斗は眉を下げて困ったように笑っている。