本気の恋を、教えてやるよ。


その言葉の意味するところは、きっと。


──『アンタの初めてが俺だったら良かったのに、って思う』


反射的に口を開いて、けれどかける言葉が見つからず口を閉じる。


「好きな奴と付き合えて……望んでもらえて、それだけで奇跡みたいなのに、高望みしすぎだよな」

「そんなこと……!」


思わず泣きそうになった私を、陰のない楽斗の笑顔が制する。


「でもいいんだ。これからと最後をくれるって言ってくれた時、本気で嬉しかった。だって、これからずっと俺と居てくれるって……そう思ってくれてるんだもんな」


そう、白い歯を見せて照れたようにかにかむ楽斗。

そんなの。


「当たり前だよ……っ!」


これから先、楽斗以上の人なんか現れない。


楽斗は私の返事に嬉しそうに笑った後、私の隣に寝転んで、抱きかかえるように抱きしめてくれた。


「はあ……早く結婚して、名実ともに俺のものにしたい」



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