本気の恋を、教えてやるよ。
遠慮しなくていいのに、と言う梓ちゃんにうんうんと頷く。
でも駒澤くんは、ややこしくなりそうだから。と断り、それから私をちらりと見て苦い顔になる。
「つか、間に合ってねえし……」
「え、」
「なにそれ。茉莉、何かされたの!?」
駒澤くんの言葉にたちまち怒りのボルテージを上げ、詰め寄ってくる梓ちゃん。
「う、ううん、別に何も──」
「叩かれたみたいだったけど」
つい、誤魔化そうとした言葉を遮る淡々とした声。
こ、駒澤くん……!
わざわざ言わなくても……ちょっと恨めしくて、訴えるように駒澤くんを見つめる。
でも駒澤くんがそれを跳ね返すかのようにキツい視線を送ってきたものだから、びっくりして萎縮してしまった。
「心配してくれた妻夫木には、本当のこと言わないとダメだろ。隠されても、何も嬉しくない」
その言葉に、ハッとする。
「そう、だよね……」