もう一度、その声が聞きたかった【完結】
圭介の部屋を出ると
私は小走りで駅に向かい電車に乗った。
早く圭介から離れたかった。



電車が見慣れた駅に着く。
私はひと気のないベンチに座った。


部屋を出た時の圭介の顔が頭から離れない。
あんな辛そうな顔、初めてだった。
たくさんの嘘で圭介を傷つけてしまった。



涙が溢れてくる。


(圭介、ごめんね…)



スマホがブーブーと鳴り続ける。
圭介からの着信。

私は電源を切り、ふとお腹にふれた。

(これでいいの…ママ強くなるから…)



私はもう引き返せない。


あれから圭介の番号は着信拒否、
メールはブロックした。
これでもう連絡が来ることはない。
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