愛しのフェイクディスタンス



 ――翌朝、寝不足の目をこすりながら出勤した優奈はマキと琥太郎に捕まり、昨日のアレは一体何だと問い詰められ。こっそり大体のあらましを吐かされることとなる。

 奥村には「まだ諦めたわけじゃないけど、でも、良かったね」と笑いかけられてしまったものだから、涙腺が緩みそうになるが…。

 遅れて経営戦略のフロアに入ってきた雅人が、大人げなく奥村と優奈の間に割って入るものだから、泣き出す暇もなかったのだ。

 そうして雅人が、琥太郎とマキのいい餌となっている光景もまた、珍しいものだった。

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