唯くん、大丈夫?

みこ様。

「…こんにちは。2人になにかご用ですか」


美琴が口角を少しだけあげて微笑んだ。





…あ、ヤバい。


ちょっと怒ってる。





それを知らずに、美琴を見て明らかにテンションを上げるイケメン2人。


「うっそ、やべぇ超かわいい!!2人の友達?ラッキー、一緒に行こうよ!」

「すみません。今日はこの二人と用事があって。」

「えー?本当に?嘘ついてもわか…
 



ブォン!!



勢いよく風が吹いた。






「…あっ、すみません」




イケメンの顔の数センチ手前で止まる美琴のキレイな、おみ足。





かたまるイケメン2人をよそに、美琴が「いけない、いけない」と育ちの良さそうな声音でつぶやいて足をおろした。


「わたし容赦できないたちで。こないだもうっかりナンパしてきた男の人3人…違う、4人病院送りにしちゃったから…気をつけないと。」


口角をあげて笑った美琴の目は、据わっている。

イケメンズが顔をひきつらせてゆっくり後ずさりしていく。



「…あ、あーはは…そうなんだぁ」

「あ!俺たち用事があるんだった!な?」

「あ、あー!そうだった!やっべー、うっかりさん☆急がなくちゃ!じゃ!」




あれほどしつこかったイケメンズは、ダッシュで商店街の奥へと姿を消した。




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