イノセント・ハンド
『さぁ~て、一件落着っと。』


『ガチャ!』

そこへ、宮本が入って来た。

『何を三人でひそひそやってんですか?』

『ひそひそだなんて、人聞きの悪い!。それより、お友達~の豊川さんは何だって?』

咲が、小指を立ててからかう。

『やめてクダサイッて!、もう。その件で、サヤに、ちょっと手伝ってもらいたいんだ。』

『アラアラ、“サヤさん”とは、もう呼ばないのね~。課長、きっと私達はお邪魔虫よ。』

『サキさん!!』

『アハハ。冗談だってば。それよりサヤ、まだ人の心は読めるの?』

三人が、そう言えば…といった顔で紗夜を見る。


『大丈夫です。心の声は聞こえませんが、心理捜査官として学んだ知識と、盲目で身についた感覚で、十分お役に立てると思います。』

少し不安気な富士本。

『課長には、心理捜査は不要ね。』

微笑む紗夜。


『フフ。例えば、そうね…、今朝、立ち上がったサキさんを見た男性陣は、みんな好色のオーラを放っていました。』

『はぁ?』

同時にとぼける宮本と富士本。

『やっぱり~。ちょっと短かったかなコレ。』

膝上25センチのミニスカートである。

『サキさん!勤める場所を間違えてませんかぁ?ねぇ課長。』

『その通りだ、風紀を乱すんじゃない! 全く、男どもも情けない。後でガツンと気合い入れてやるか。』

男どもその①とその②が、照れ隠しに声を荒げる。

『サヤは、男性陣は“みんな”と言いましたけどぉ~』

『うっ…、そ、そんなことはないだろう。なぁ紗夜?』

口を抑えて笑う紗夜。

『あっ、いかんいかん、こんな時間だ、ジュンは豊川と…あ、いや違う、紗夜と仕事をなさる様だから、サキ、我々は邪魔らしい。とにかく仕事だ、いくぞ。』

『課長、お邪魔って私が言ったセリフよ、言ってることおかしいし。』

『うるさい!さっさと行くぞサキ。』

笑い転げる背中を押され、咲は富士本と出て行った。


『全く…。』

まだバツの悪い宮本。

『と、ところでサヤ、何を話してたんだ?』

『フフっ。何でもないわ、ジュン。』

(えっ?どうしたの?サヤ?)

驚く声を、紗夜の唇がふさいでいた。

その宮本の心の声を、紗夜は…

“聞いた”


(えっ…)


そして…




(た・だ・い・ま)



  ~イノセント・ハンド~ 心譜
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