ずっと探していた人は
「はー……」
すっかり受付を由夢に任せっぱなしだったことを思い出し、いそいそと戻る。
「涼くん、来てたんだね」
戻った私に由夢が声をかける。
「うん、仕事が早く終わったから、来たんだって」
「そっか、よかったじゃん」
「うん……」
「どうかした?」
涼くんと会えたのにため息をつきながら浮かない顔をしている私が気になったのか、由夢は私の顔を覗き込んだ。
「涼くん来たなら、午後から一緒にまわってきなよ」
私はこのまま受付手伝ってもいいし、そうだな、中川くんたちと一緒にまわってもいいし、と由夢が悩む。
「ありがと。けど、いいや、一緒にまわろ」
由夢の気遣いに感謝しつつも、私は由夢の申し出を断る。
「いいの?」
由夢が心配そうに私を見る。
「うん。今日は一般の人もたくさん来ているし、涼くんのファンの人だってきっと来ているでしょ。涼くんと2人で歩くことで、また噂になって……」
ここまで話すと、由夢は私が言おうとしたことを察したようで、「そうだね」とうなずく。
「まあ最初に約束していたのは私だし? 遠慮なく一緒にまわらせてもらいます!」
急に強気になった由夢の様子に、クスクス笑う。
「じゃあ、あと一時間頑張って、午後からはなにか美味しいもの食べに行こ」
「いいね~」
由夢の提案に、私は親指を立ててグッドを作ると、由夢は「頑張るぞ~」と返した。
「じゃあ次の方どうぞ~」
由夢が次の組を中に入るように促す。
いつもなんだかんだ、涼くんのことで由夢には心配をかけてしまっているし、気を遣わせちゃっているなあ……。
それにもかかわらず、そばにいてくれる由夢の存在はとっても有難い。
私は心の中で由夢に、「ありがとう」とつぶやいた。
すっかり受付を由夢に任せっぱなしだったことを思い出し、いそいそと戻る。
「涼くん、来てたんだね」
戻った私に由夢が声をかける。
「うん、仕事が早く終わったから、来たんだって」
「そっか、よかったじゃん」
「うん……」
「どうかした?」
涼くんと会えたのにため息をつきながら浮かない顔をしている私が気になったのか、由夢は私の顔を覗き込んだ。
「涼くん来たなら、午後から一緒にまわってきなよ」
私はこのまま受付手伝ってもいいし、そうだな、中川くんたちと一緒にまわってもいいし、と由夢が悩む。
「ありがと。けど、いいや、一緒にまわろ」
由夢の気遣いに感謝しつつも、私は由夢の申し出を断る。
「いいの?」
由夢が心配そうに私を見る。
「うん。今日は一般の人もたくさん来ているし、涼くんのファンの人だってきっと来ているでしょ。涼くんと2人で歩くことで、また噂になって……」
ここまで話すと、由夢は私が言おうとしたことを察したようで、「そうだね」とうなずく。
「まあ最初に約束していたのは私だし? 遠慮なく一緒にまわらせてもらいます!」
急に強気になった由夢の様子に、クスクス笑う。
「じゃあ、あと一時間頑張って、午後からはなにか美味しいもの食べに行こ」
「いいね~」
由夢の提案に、私は親指を立ててグッドを作ると、由夢は「頑張るぞ~」と返した。
「じゃあ次の方どうぞ~」
由夢が次の組を中に入るように促す。
いつもなんだかんだ、涼くんのことで由夢には心配をかけてしまっているし、気を遣わせちゃっているなあ……。
それにもかかわらず、そばにいてくれる由夢の存在はとっても有難い。
私は心の中で由夢に、「ありがとう」とつぶやいた。