ＬＯＶＥＨＡＴＥ～御曹司社長と黒い子作り婚～

「綾知さんが女性に対して冷めていたのって、男性不妊が原因なのでしょうか？
綾知さんが、奥村さんには子供が出来ない体質なのを話した事があると言っていたので」



「多分、そうだと思います。
女性と本気で付き合えば、いつかその人と結婚したいと思う。
そうなると、結婚後、子供の問題も。
だから、本気にならないようにしていたのでしょう」


「そうですね…」



私との場合、結婚から始まり。


子供の問題も、なにかしら解決出来ていたから、

そうやって、私の事を好きになってくれたのだろうか…。



「前に、眞山さんに呪いをかけた話をしましたよね？
その時、眞山さんには、俺にはもう既に呪いがあるからって言われて。
高校二年の時に、おたふく風邪になって、
それが原因で無精子症になったと」


「おたふく風邪…」


高校二年の時に、おたふく風邪…。


もしかして、と気付くと、頭の中で何かが繋がるような気がした。



「奥村さん、今日、急に呼び出したのに、ごめんなさい！
私、ちょっと帰っていいですか？
どうしても、確かめたい事があって」


そう言い終わる前に、席を立っていた。


「あ、うん。気にしないで下さい」


「また、連絡します」


そう言って、私は喫茶店から飛び出した。