LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
憎い人

夜。


綾知さんと色々と話そうとしたのは、
寝室で二人になってから。


ベッドの上で寝転ばす、お互い向かい合う。



「かしこまって、話したいとか言われたら。
凄い、怖いんだけど」


そう笑っているけど。


その言葉が偽りじゃないのか、
目が不安そうに揺れている。



「昔、綾知さんにおたふく風邪移したの、私だよね?
あのパーティーの時」


この人が不妊になったのは、私のせい。


綾知さんは驚いたように、目を私に向けている。


この人は、それを私が気付かないように、自分の不妊の話をしてくれていたから。


「…そんなの、誰から貰ったかなんて分からないよ」


「嘘。私からだって、綾知さん思ってるでしょ?」



この人が私を憎んでいたのは、
本当だった。


きっと、私を見る度に、お前のせいで、と思っていたのかもしれない。


お前のせいで、子供が出来ない体になったのだと。


「まあ…。
けど、もしそうだとしても。
こればかりは、仕方ないだろ?」


「そう思ってないから、
私にああやって、他の男の子供を産まそうとか出来たんでしょ?
私のせいだから」


「千花…。
それは、本当に悪かったと思ってる。
俺も、焦ってたから」


なんだか、話が違う方向に行きそうなので、話を戻すように、こちらからまた切り出す。



「お義母さんに聞いた。
お義母さんが私の事嫌いな理由」

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