LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
◇
終わった後も、裸のまま布団に入り、綾知さんには腕枕をされ、抱き締められていた。
「中で出したけど、良かった?」
そう訊かれて、そうか、と思った。
「大丈夫。妊娠しないから、
あ、嫌味とかそういう意味じゃなくて!
それに、別に妊娠しても構わないし、でも、今回は妊娠しないの」
言ってる事が無茶苦茶な私に、
綾知さんは、首を傾げている。
「実は私、ピル飲んでるの」
「ああ、なるほど」
私はこっそり、ピルを飲んでいた。
「実は、一度、滝沢さんと会って」
「滝沢君?」
弁護士の、滝沢斗希さん。
あれは、私が眞山家に引っ越して来た、次の日の月曜日の事だった。
仕事が終わり、駅に向かう私の前に、突然、滝沢さんは現れた。
「また、滝沢さん!」
そう言って、警戒する私に、滝沢さんは苦笑している。
「俺、辻山さんには嫌われてるよね?
ごめん。もう辻山さんじゃなくて眞山さんだよね?」
そういう所が、この人が苦手だと思う。
それ以上に、この人が現れると、ろくな事が起こらない。
「眞山社長から千花さんは行動をチェックされてるみたいだから、手短に話すよ。
つい最近、眞山社長から俺に電話が掛かって来て。
用件は、千花さんの事を妊娠させてくれって、とんでもない用件で」
そう言えば、言っていた。
"ーー本当は、倉持の前に滝沢君にお願いしたんだよねぇ。
じゃあ、さすがにそれは、って鼻で笑われてーー"
「けど、断ったんですよね?」
「そりゃあ。
けど、眞山社長は俺が断るのを分かってて、言って来たような気がするんだ」
「どういう意味ですか?」
「どっかでは、眞山社長もしてはいけない事をしてる気がするんだけど。
自分じゃあ、止まれなくて。
だから、俺が止めてくれるのを期待したんじゃないかって」
「それで、止めてくれたんですか?」
土曜日、私は倉持さんに…思い出しても、吐き気がする。
きっと、この人は止めていない。