LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
「結衣から千花さんに伝言。
眞山社長は本当に男として最低だけど。
とても、優しい人だったって」



そう言えば、この人の奥さんは、元々眞山社長の秘書で。


付き合っていたんだっけ。



「結婚の件は、本当にごめんね。
俺も弁護士として、依頼人優先だから」


「はい」


それは、この人も仕事だから仕方ないのかもしれない。



「でも、今度は千花さんが俺の依頼人になるのなら、全力を尽くすけど」


「え?」


それって、この人が、私の味方になってくれるの?


「詐欺や脅迫での婚姻は、無効に出来るから」


それって、綾知さんと私の結婚を取り消せるって事?


「でも、私には、綾知さんに弱味があって。
彼の父親と私の母親の不倫…。
婚姻は取り消せても、それを暴露されたら」


それは、本末転倒で。


「そうなんだけどねぇ。
けど、俺は、それ以上に眞山社長の弱味をけっこう握ってるからね」


そうか。


そうなれば、それで私のその弱味が表に出ないように、眞山社長を黙らせてくれるってわけか。


「けど、そんな事したら、滝沢さんが、弁護士として不味いんじゃないですか?」


依頼人だった人のそういう秘密を、公にするとか。


それで、脅すとか。


「けど、俺は弁護士辞めても同じくらい稼げそうな資格は何個かあるし」


「そうですか」


いざとなったら、この人に頼んで、綾知さんと全面的に争う事も出来るのか…。


「けど、俺ずっと疑問だった。
眞山社長、結衣に妊娠したって言われて。
これっぽっちも、それを信じてなくて。
端から結衣の嘘だって…。
今回の事で、それがなんでか分かった…」


その滝沢さんの言葉に、私は、意味が分からず首を傾げた。


一体、何が分かったのだろうか?


「まあ、また何かあれば連絡して。
その薬の袋に、俺の名刺も入れといたから。
じゃあ」


そう言って、滝沢さんは颯爽と消えた。


< 127 / 148 >

この作品をシェア

pagetop