LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
◇
「そう…。
滝沢君がねぇ。
やっぱり、彼は怖いなぁ」
そう、綾知さんは苦笑している。
「だから、今期はその滝沢さんから貰った低用量ピルをずっと飲んでたけど。
もう、飲まないから」
「うん」
「近いうちに、一緒に病院に行こう?」
そう誘うと、綾知さんは、ちょっと困ったように苦笑している。
「憂鬱だな…。
俺、病院嫌いなんだよ」
その顔が子供みたいで、笑ってしまった。
「私、今日お義母さんに、
"私が絶対に綾知さんの子供を産みますから"って、宣言したの」
「へぇ。
それで、今日の母さん、千花にどこか優しいのか」
やはり、そうなのか。
私もそうか、と思っていたけど。
「けど、このまま同居でいいの?
千花が希望するなら、どこかマンションでも買ってもいいけど?」
そう言われ、新築のマンションとか憧れるけど。
「このまま同居でいいよ。
だって、お義父さんあまり帰って来ないから」
だから、この人はずっと家を出ず、実家で暮らしている。
この広い家で、お義母さんが一人だと可哀想だから。
やはり、この人は優しい。
だけど、今日、お義母さんに訊いた。
お義父さんがあまり帰って来なくて、寂しくないのか、と。
「昔はねぇ。
けど、今は、週末だけちょっと帰って来てくれるくらいがちょうどいいの。
私、平日、けっこう習い事とかしてて忙しいから」
そう、笑っていた。
その言葉が、何処までお義母さんの本音かは分からないけど。
なんだかんだ、お義母さんとお義父さんはそれで上手く行っているのかもしれない。
お義父さんは、週末はちゃんと帰って来るから。